Netflix『 ジニ―&ジョージア 』なぜジニーは暴走したのか?【考察】

感想

こんにちは、みょんです。

今回はNetflixで配信中の『ジニ―&ジョージア』の主人公ジニーの考察をしていきます。

さて早速ですが、皆さんこのドラマにどのような感想を持っているのだろうと思いTwitterで検索してみました。

すると「ジニーにイライラした!」というツイートがチラホラ散見されました。

すごく分かります。私もその内の1人です。

色んな所で問題の火種を作っておきながら、いざ修羅場が起こるとマーカスのせいにして遂には弟と街から出て行ってしまう。

初見の私にはそう映りました。

この記事では「何故ジニーがあそこまで暴走してしまったのか」、という点を考察していきます。

まずは暴走の具合例を明確にし、その原因となった3つの要因について説明していきます。

なお、この記事は『ジニ―&ジョージア』のシーズン1を全てを見たことを前提に進めていきます。

当然ですがネタバレのオンパレードなのでご注意ください。

スポンサーリンク

ジニーの暴走とは

まず、暴走を辞書で引くと以下の項目が出てきます。

 常軌や規則を無視して乱暴に走ること。「オートバイを暴走させる」
 運転者のいない車両が走りだすこと。また、走っている乗り物が制御できない状態になること。「無人電車が暴走する」「ハンドルが壊れて車が暴走する」
 周囲の状況や他の人の思惑を考えずに勝手にどんどん事を進めること。
 野球で、走者が無謀な走塁をすること。
 コンピューターが異常な動作を始めて、制御できなくなること。

引用:goo辞書『暴走』

今回では3の意味が当てはまります。

つぎにジニーの暴走について具体例を挙げておきます。

1.ミュージカル本番中にマックスに浮気の釈明をした。
2.マーカスと浮気をし、振られてどん底にいるマックスに打ち明けようとした。
3.ハンターとの喧嘩で踏み込んではいけない所まで踏み込んだ。

なぜジニーは周囲や他人の事を考えずにどんどん事を進めようとしたのでしょうか。

次の項で説明していきます。

ジニーが暴走に至った3つの要因

私はジニーの暴走に至ったのには以下の3つが要因であると考えます。

a.性格的な要因
b.環境的な要因
c.アイデンティティ的な要因

これらが単発、または複数重なった結果に数々の暴走を起こしてしまったのではないかと考えます。

性格的な要因

まずは a.性格的な要因から見ていきます。

ジニーは「そんなこと今は言わなくても良い」という事を言ってしまう傾向にあると感じました。

いわゆる「空気が読めない」のです。

例えば第2話で初めてブレディの家に行った時、誰に聞かれてもいないのに映画についてを語り出すシーンがありました。

もう少し詳しく解説すると、彼女は『スタア誕生』という映画について語っていました。

これは1937年に上映され、1954年にリメイク版が上映されています。

ジニーはこの2つのバージョンの違いを語っていました。

お互いが映画好きならいざ知らず、ほぼ初対面の人にそんな古い映画を解説されても勿論「?」となりますよね。

その上、話していた子たちはZ世代。このシーンの少し前に「レディ・ガガの肉ドレスって何?」と言っていた位です。

古典の映画を観ていないのは想像に容易いことです。

案の定、聞き手の女の子たちはドン引きしていました。

では、どうしてジニーは空気を読むのが苦手なのか。それは彼女の家庭環境にあると考えます。

彼女は母親の交際相手が変わるたびに引っ越しを繰り返しています。

日本語字幕では書かれていないのですが、第1話でウェルズベリーが5番目の学校だとジニーは言っています。

そして所々で「今まで友達が居たことが無かった」と言及しています。

以上のことからジニーは同世代とまともに会話した経験が少ない、というのが想像できます。

友達が居たこともないジニーにとって、MANGという仲良しグループで過ごすのはさぞハードルの高いものだったでしょう。

例えば「私は彼氏と幸せだけど、Aちゃんは最近彼氏と上手く行っていないみたいだから惚気ておくのは止めよう。」

「これを言ったら自慢っぽくなってしまうから止めよう。」

など、女子グループを生き抜くためには緻密なバランス感覚が要求されます。

それまで女子グループはおろか、友達さえ居なかったジニーにいきなりバランスを取るのはやはり難しかったようです。

その結果として、1.ミュージカル本番中にマックスに浮気の釈明をした2.マーカスと浮気をし、振られてどん底にいるマックスに打ち明けようとした

という2つの暴走が起こったと考えます。

1.については誰がどう見ても釈明をするのにいいタイミングではありません。

マックスが何か月も前からオーディションを受け、熱心に練習をしているのをジニーは知っているはずです。

しかしながらも、自分の釈明を優先してしまうのにジニーの幼さと、今までまともに友人関係を築いて来れなかったというのが見て取れます。

2.についてはアビーの説得で最悪の事態にはならずその場で収まりました。

(ご存知のように後で大爆発するのですが…。)

環境的な要因 / アイデンティティ的な要因

次にb.環境的な要因、c.アイデンティティ的な要因について見ていきます。

ミラー一家はテキサスからニューイングランド・ウェルズベリーという街に引っ越してきます。

ちなみにグーグルマップで探したのですが、ウェルズベリーという街は実在しないようです。

ウェルズベリーについては第1話『エピソード』のあらすじでこう書かれています。

ニューイングランドの保守的な街ウェルズベリーに越してきたジョージア・ミラーと娘ジニ―、息子オースティンの3人は、到着早々一目を引いてしまう。

引用:Netflix『ジニ―&ジョージア』

そして同じく1話で初めてAPイングリッシュの授業を受けたジニーは「白人ばかり」とぼやいています。

第1話の冒頭を見れば分かるのですが、ジニーの前の学校は黒人も含め割と色んな人種がクラスに居ました。

そして第7話ではノラとアビーはユダヤ教徒であることが明かされています。

マックスはユダヤ教徒ではないものの、バット・ミツバに17回行ったと発言しています。

バット・ミツバはユダヤ教徒の女の子が12歳の誕生日に行う、いわゆる成人式的な行事です。

ここから考えるに、ウェルズベリーは裕福な白人が多く住み、ユダヤ教徒が多いと考えられます。

そして、テキサスの頃と比べ画一的な環境になったジニーはある種の抑圧を覚えていたのではないでしょうか。

それに加え、教師は偏った教材の選び方や、人種差別的な発言を繰り返していました。

教師の他には第2話ではサマンサが「私は黒人と結婚すれば可愛い赤ちゃんが生める」など、悪気はないようですが偏見の態度を持っています。

ハーフの赤ちゃんは可愛いから外国人と結婚したいって悪気なくいう人って日本でもいますよね。

それは容姿が優れた子供が欲しいが為だけに外国人と結婚するの?と受け取る事もできます。

同じエピソードでもジニーだけが万引きをしたと咎められるシーンがあります。

更に第7話ではブレディに「新しい髪形最高だ。ケツがあれば完璧。ないなんて変」と言われます。

ブレディ的には黒人女性のお尻はグラマラスという偏見から来ています。彼にも悪気はありません。

彼女はウェルズベリーに来てからずっと、こうした悪気の無い偏見と闘ってきたのです。

それが爆発したのが3.ハンターとの喧嘩で踏み込んではいけない所まで踏み込んだ。ではないでしょうか。

これは第8話でのお互いの人種や国籍について喧嘩をしたシーンを指します。

私はこの部分は勉強中で、初見ではハンターさえもジニーのエッセイが「自由すぎる」と評した事が喧嘩に繋がったのかと思ってました。

ハンターもあいつの味方なのか。と。

その部分にもジニーは怒っていたのですが、でも違うんです。

teenVOGUEの記事を参照するとハンターが「選ばれたいなら授業で問題起こすなよ」と言っている事にジニーはキレたのです。

Hunter is so bad at recognizing misogynoir that he doesn’t even realize that he’s performing it. He accuses Ginny of “causing drama in class” and is dismissive when she explains that she’s just trying to use her voice.
(日本語訳:ハンターは黒人女性蔑視を認識できておらず、自分が蔑視している事さえ気付いていない。彼はジニーが「クラスで騒ぎを起こしている」と非難し、彼女が「自分の声を上げているだけだ」と説明すると、それを否定する。)

引用:teenVOGUE Netflix’s “Ginny & Georgia” Plays Oppression Olympics — But Nobody Wins”

ハンター的にはジニーはいちいち先生に突っかかる反抗的な生徒位にしか見えてないのです。

しかし、ジニーにとっては自分の存在を軽んじられていて、それに対して声を上げているのです。

ハンターもまた決して悪気は無いのですが、ジニーが何に対して声を上げているのか本質を分かっていません。

そして2人はアジア人と黒人のステレオタイプも絡めて泥沼の喧嘩に発展していきます。

たしかにジニーがハンターに言っていた事は許されません。

しかし、恋人のハンターですらジニーが声を上げ続けていたのを単に「騒ぎを起こしている」程度にしか認識していなかったのに絶望したのもあったのでしょう。

おわりに

ジニーが暴走してしまった理由はa.性格的な要因、b.環境的な要因、c.アイデンティティ的な要因にあると考察しました。

黒人がマイノリティという環境の中で、悪気の無い偏見に抑圧され続けた結果、感情が爆発し、ジニーは暴走したのかと思います。

シーズン2ではジニーはこの抑圧にどう立ち向かっていくのでしょうか。

そもそもジニーはウェルズベリーに帰ってくるのでしょうか・・・?

シーズン2もとても楽しみです。

タイトルとURLをコピーしました