今回は2021年2月よりNetflixで配信中の『 ジニ―&ジョージア 』をレビューしていきます。
このドラマは自由奔放・破天荒な30歳のギャルママと、他人の目が気になって自分に自信のない15歳の娘の話です。
そうです、このママは15歳の時に娘を出産しています。
既にシーズン2の制作も決定しており、今から注目しておきたいドラマです!
この記事ではドラマの概要、あらすじ、キャスト、見どころに加えて各話のネタバレ感想を紹介します。
ジニ―&ジョージア の概要
基本情報
原題 | Ginny & Georgia |
製作年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
エピソード数 | 10(各話約50分) |
監督 | アーニャ・アダムズ カタリーナ・アギラル・マストレッタ レヌカ・ジェヤパラン |
あらすじ
テキサスからニューイングランド・ウェルズベリーに越してきたミラー一家。
母のジョージアは15歳の時に娘ジニ―を出産しており、自由奔放で天真爛漫。
ジニ―は時に自分の方が母より大人なのではと思うが、ジョージアにはジニ―にも打ち明けていない過去の秘密があり・・・。
ジニ―&ジョージア のキャスト
ジョージア・ミラー / ブリアン・ハウィー
ジョージアはジニ―とオースティンの母。天真爛漫で男の落とし方を心得ているが、過去に秘密があるようで・・・?
ブリアンは1989年アメリカ・カリフォルニア出身。
他の出演作品に『パッセージ』(’19)、『エクソシスト』(’16)等。
ジニー・ミラー / アントニア・ジェントニー
ジョージアの娘。自分と他人を比較してしまい、自信が持てないお年頃。
アントニアはジョージア州アトランタ生まれ。
その他の出演作品に『キャンディージャー』(’18)等。
マックス・ベイカー / サラ・ウェイスグラス
ジニ―の初めての友達でマーカスの双子の片割れ。
サラは1998年カナダ・トロント生まれ。
その他出演作品に『デグラッシ:ネクスト・クラス』(’16)等。
マーカス・ベイカー / フェリックス・マラード
マックスの双子の兄弟。真剣な交際には興味が無く、今はカジュアルな関係を楽しみたい様子。
フェリックスは1998年オーストラリア・メルボルン生まれ。
その他の出演作品に『ゾーイの超イケてるプレイリスト』(’21)等。
ジニ―&ジョージア の見どころ
見どころはズバリ以下の3点です!
1.青春の甘酸っぱい恋と大人の恋を1度に2回楽しめる!
それまで恋愛経験の無かった娘ジニ―と、男の扱いが天下一品の母ジョージアの恋愛の仕方の違いが1度に楽しめます。
ジニ―は恋人どころか友達もまともに居たことの無い少女でした。
自分に自信の無いことも手伝って男の子との距離感を掴むのが下手なのですが、初めてキスして、デートして、良い感じになってと、胸が心底キュンキュンします。
一方のジョージアは男を手玉に取るのが天才的に上手。
強引でワガママな所があって、そこが男性にとってたまらないのでしょうね。
そのため一部のママ友に嫌われてますが、そんなのどこ吹く風。
2人の恋愛の仕方の違いが興味深いですよ!
2.あの女子のイヤ~な感じを追体験できる
とにかく女子グループのジメジメした雰囲気の演出、役者さんの演技が生々しくてリアルなんです!
第2話でジニ―はマックスという子に気に入られ、彼女のグループにジニ―を入れてあげようとします。
しかし、グループの他2人、アビーとノラは乗り気でない様子。
アビーとノラがジニ―に意地悪したり、自然とハブったりするのがまぁなんと生々しいこと!
その他にも第3話で皆でグループチャットしてる裏で、個人チャットでグループ内の他の子の悪口を言ってる感じも、絶妙なじっとりさが滲み出てて心臓がキュ~っとなりました。
3.母ジョージアの過去が紐解かれていく
このドラマは所々でジョージアの過去の記憶を交えながら進んでいきます。
15歳で家出をしてある女性に拾われ、ジニ―の父に出会う・・・。
少女時代のジョージアは大人しい印象で今とは似ても似つかないのですが、
過去回想シーンでジョージアの生い立ちを辿ることが出来ます。
ジニ―&ジョージア の感想
第1話『エピソード』

この時点ではまだジョージアの印象は良いものではありませんでした。
男が変わる毎に引っ越しをし、子ども達を連れ回すのは頂けません。
ウェルズベリーは保守的で金持ちの白人が多い街として描かれており、出てくる親たちもクセが強い。
例えばシンシアは自然派ママで、学校の給食を全てオーガニック食品にしようと目論んでいます。
オーガニック自体に罪は無いのですが、自分の主義を他人に押し付けるのは感心しません。
一方、ジョージア達の向かいに住むベイカー家の母エリンも中々の曲者。
表向きは意識高い系ママたちに合わせていますが、裏では結構ファンキーです。
大人たちがクセしかないので、弟のオースティンの可愛さが引き立ちます。癒し。
第2話『化粧の極意』

アビーの意地悪な演技がたまらん良かったです。
同調圧力が際立っていた回だと思います。
日本もそうだけれど、海外にも同調圧力ってあるんですね。
学生時代って職業や肩書で差別化できないから「イケてるグループにいる自分」が一種のステータスなんですよね。
だから仲間に入れてもらうために悪いことして。
あとマーカスのどうしようもなさが振り切ってて良いですね。
「ピル飲んだんだから大丈夫でしょ?」って。
いや、そう言うことじゃ無いんよ!
第3話『金持ちの単なる遊び』

ミュージカルが私の思っていたミュージカルと違いました。
ミュージカルというか最早バーレスクというか。
監督?もとにかくセクシーさを求めてて、いやいや皆高校生でしょと開いた口が塞がりませんでした。
前のエピソードでアビーが嫌な子に描かれていましたが、彼女も彼女で色々あるんですね。
両親が不仲で、アビーは自分の体型が気に入らない様子。
学校ではどんなにイケてるように振舞っていても、内面では悩みが付きまとうのが何とも思春期です。
第4話『間違いなくフェミニスト』

自然派ママのシンシアと上手い事やってたジョージアだったのに、このエピソード位からバチバチになりました。
市長という後ろ盾を手に入れたから、慣れ合いから一気に対抗する戦略に舵を切ったのでしょうか?
カジノナイトでより収益出すために、富裕層のマダム達のマウント欲に付け込んでオークションを開く所とか、ジョージアって本当に機転が利いてて、立ち回りが上手いですよね。
第5話『不意打ち』

ハロウィンコスチュームで皆で何を着るか一人にだけ教えないの本当に陰湿で背筋ゾッとしました。
これ、前まではジニ―が仲間外れされる側だったのに、今度はジニ―が言い出しっぺになってハブる側になってるのがまたリアルです。
さて、ブリトニースピアーズの歴代PVの衣装で揃えたMANGですが、各々の衣装は以下の通りです。
マックス→ Oops!…I Did It Again
アビー → Womanizer(だと思います)
ノラ → Toxic
ジニ― → Baby One More Time
そしてジニ―って自己肯定感が低くって、自尊心を満たすのを他者に委ねている節があります。
前のエピソードでバンドの演奏動画の再生数が伸び、彼女は学校でも有名になります。
色んな人が彼女の曲を褒めてくれて、それが自尊心を満たしてくれている間は自信がつきます。
その自信が変な方向に行って仲間外れにするのですが。
ところが、動画にアンチコメントがつくとたちまち不安定になってしまいます。
自己肯定感が高くてもアンチコメは応えると思いますが、ジニ―の場合は人種差別系のアンチコメをされたのでアイデンティティの問題に発展します。
更に黒人であるブレイシアが、白人であるブリトニースピアーズの衣装を着ているジニ―に良くない反応を示します。
これ、『NYガールズ・ダイアリー』にもあったエピソードですが、黒人は黒人としてのプライドを持つべき。という風潮があるのですかね?
私はアジア人だし、アメリカに留学していたことはあるものの長く住んでいたことは無いので、正直この空気感が掴めません。なのでとても興味があります。
日本だったら数年前に『スーサイド・スクワッド』のハーレクインのコスプレする子が居たし、そんな子たちを見て「日本人としての誇りを持て!」と思う人は稀有だと思うんです。
そもそもジニ―は白人と黒人のミックスであり、自分が何者なのかはジニ―自身が位置付けるものなのでは?とも思ったり。
(※私自身も人種問題についてはまだまだ勉強中なので、何か間違いがあったらごめんなさい)
第6話『思い出したくない過去』

孤児と聞かされていたはずのジョージアの元へ妹が押し掛けてきて、ジニ―がジョージアに不信感を募らせる回でした。
それにしても、ニックがジョージアとポールの空気感から二人がどこまで関係が発展したのか瞬時に察知してましたね。
ポールに仕事が出来ないと評されていたニックですが、ゴシップに関しては鋭いですね。
敵には回したくないけれど、仲良くなれば給湯室で色んなこと教えてくれるタイプのお局様キャラで私は好きです。
さて、妹マディーがいきなりジョージアの元にやって来て怪しさ満点でしたが、やはり裏がありましたね。
ジョージアとマディーの喧嘩シーンは胸が痛かったです。
ところで、このドラマってみんなどこかで心の闇を抱えているように描かれているのですが、
一番闇が深いのって、オースティンだと思うんです。
ジニーは父親と連絡を取れていますが、オースティンの父は刑務所の中。
ジョージアも私みたいなアラサー世代から見れば「子育てしながらも自分を持っている母親。」ですが、
オースティンら子どもから見れば「普通のお母さんとは何か違うお母さん」でしょう。
友達もおらずむしろ虐められ、父親とも連絡を取れず、馬が合うと思った従兄弟のケイレブとも引き離され。
完全に孤独なオースティンが心配なアラサーBBAです。
第7話『16歳おめでとう!』

母の過去に不信感を募らせたまま16歳の誕生日を迎えたジニー回でした。
母の事でも悩むし、第5話で噴出した自分のアイデンティティについても悩みが尽きないジニー。
ただ、アイデンティティに関してはハンターと言う強力な味方がいましたね。
彼自身も父が台湾人で母は白人。
自分は台湾人だと自覚しているけれど、台湾人やアジア人からすると自分は同胞と見なされていない。
よくミックスの人は思春期になるとアイデンティティクライシスを起こしやすいと言われています。
私自身は純日本生まれのため、この件について何も言えないのですが、
同じ境遇の人間が側に居るか居ないかで違ってくるのは間違いないと思うんです。
だから同じような境遇のハンターとジニーが側に居られて良かったです。
それにしても、マーカスがキーボードを弾くシーンが最高に色気がありすぎて私得でした。
横顔のカットで前髪で殆ど顔は隠れているのですが、溢れ出る色気・・・!
オソロシイ子!
第8話『該当するもの全て』
ジニーの父ザイオンがウェルズベリーにやってきて、ジニーのエッセイの内容を一緒に考える回でした。
男を手のひらの上で転がすのは上手なジョージアでも、ティーンエイジャーの娘の扱いは難しいようです。
そんなジニーとジョージアの喧嘩は、英語で聞くとディズニーの『美女と野獣』のキャラや歌の題名を引用していて、喧嘩しているけどどこかコメディ風になっています。
さて、ジニーは自分の生きづらさを詩的なエッセイで発表するシーンがありました。
自分がどこにも属さず隙間を縫うように生きている。
でも他の人と上手く溶け込めるように生きる術は身に着けてきた。という内容でした。
思うに思春期って自分が社会とフィットしない所と上手く折り合いを付けていく時期なのかと思います。
例えば私だと、人と会話を続けるのが苦手でした。(今でもそうですが)
「こんなこと聞いて相手は不快にならないかな?」
「こんな話してて面白いかな」
なんていちいち顔色を窺っていた記憶があります。
今ではそんなに自分の聞きたいこと聞けばいいじゃんと開き直る方向で折り合いをつけました。
或いは、どうしても会話が盛り上がらないのであれば沈黙もやむなしだと思っています。
こうやって、自分の居心地の良い場所を探るために試行錯誤する期間なのだと思います。
第9話『心は複雑』
市長選の最中、ポールがジョージアにプロポーズをする回でした。
オースティンが父宛てに送ったはずの手紙を家のクローゼットで見つけるシーンが、このドラマの中で一番心苦しかったです。
父親は魔法使いで、それを誇りに思ていたことが唯一の彼の心の拠り所だったのではないでしょうか。
そんな拠り所が嘘で塗り固められていた事ほど絶望的な事はありません。
そして、ポールは只のお人好しだと思っていたのですが、ジョージアの貪欲さを見抜いていたんですね。
しかも初めて出会った時から。
彼はどうにも一筋縄ではいかないフラグが立ちまして、シーズン2の彼の動向が今から楽しみになってきました。
あと、シンシアが市長のオフィスに侵入するシーンですが、あまりにもセキュリティが緩すぎて笑いました。
パソコンにパスワードも掛けていなければ、オフィスの戸締りもしていない。
このドラマ、他にもジニーがマンディーの携帯を見るシーンやマックスがマーカスの携帯を盗み見るシーンがあるのですが、
総じて皆セキュリティがゆるゆる。セキュリティ管理しっかりした方が良いですよ。
第10話『最低の裏切り行為』
ジニーとマーカスの秘密が一気に周りにバレる修羅場回でした。
ジニーにとって全てが悪い方向にしかいかず、「え?これが最終回?」というのが率直な感想です。
全然、大団円なんかじゃない。
ミュージカルシーンの、マックスが舞台袖に戻るたびにジニーが釈明するシーンがシュールすぎました。
普通舞台が終わるまで、待つでしょと。
それなのに完璧にお芝居をこなすマックスは本物の女優でした。
ジニーの考察記事でも触れようと思いますが、彼女はいまいち自分と他人の適正な距離感が分かっていないような描かれ方をされています。
これがシーズン2にはどうなるか、ひとつの見どころです。

いかがでしたか?
このドラマは女のジメジメした所を描くのが上手で胸がギュ~っとなりました。
そんなジメジメには除湿が一番です!