Netflix『ミックステープ:伝えたかったこと』のあらすじ、ネタバレ無し、有り感想をご紹介します。
13歳のビバリーは祖母と暮らす女の子で、両親は彼女が2歳の頃にこの世を去ってしまいました。時を経て両親が作ったミックステープを発見したビバリーは、両親との繋がりを探し始めます。
今作品はローティーンのシスターフッドもので、友情や家族愛を描かれた、ハートフルコメディでした。
ミックステープ:伝えたかったことの概要
ミックステープ:伝えたかったことの基本情報
原題 | Mixtape |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2021年 |
上映時間 | 93分 |
監督 | ヴァレリー・ワイス |
ミックステープ:伝えたかったことのあらすじ
舞台は1999年も終わりに近いアメリカ、ワシントン州のとある街。当時世界中で噂されていた2000年問題にヤキモキする祖母ゲイルと13歳の少女ビバリーは2人で暮らしていた。
ビバリーの両親は彼女が2歳の時に交通事故で亡くなっている。
両親を恋しく思うもビバリーは祖母と楽しく慎ましく暮らしていた。
ある日、ビバリーは地下室の倉庫で古いミックステープを見つける。
どうやら両親が作ったものだと分かったビバリーは、意気揚々とウォークマンでミックステープを聞いてみる。
しかし、機器の不調でテープが絡まり聞けない状態に。
幸いにも手書きのプレイリストが残っていたため、ビバリーはそのリストと共にレコードショップへと向かうのだが・・・。
ミックステープ:伝えたかったことの キャスト
ビバリー / ジェンマ・ブルック・アレン
早くに事故で両親を亡くし、祖母と二人暮らしをしている。
学校では地味で浮きがち。
ジェンマ・ブルック・アレンは2008年11月21日生れの13歳。
エレン / オードリー・シェー
ビバリーの家の向かいに引っ越してきた台湾系の女の子。
母親が厳しく、下に小さな弟がいる。
オードリーは2004年7月16日生れの18歳。
ニッキー / オルガ・ペッツァ
ロックが大好きだがビバリーやエレン以上に孤立している。
オルガは2006年7月28日生れの16歳。身長は168cm。
ゲイル / ジュリー・ボーウェン
ビバリーの祖母で郵便局の配達員。孫を女手一つで育てている。
アンチ / ニック・スーン
レコード店の店主。初めはビバリーを鬱陶しがるも中々情に厚い。
ミックステープ:伝えたかったことのプレイリスト
両親が遺したミックステープ”Love Riot”(愛の暴動)のプレイリストをご紹介します。
THE BLUE HEARTS のリンダリンダも入っています!
No. | 曲名 | アーティスト |
1 | Getting Nowhere Fast | Girls at Our Best |
2 | リンダリンダ | THE BLUE HEARTS |
3 | Better Things | The Kinks |
4 | I Got a Right | The Stooges |
5 | Teacher’s Pet | The Quick |
6 | The Song That Reminds Me of The Day on The Hill | 作中のオリジナル曲 |
7 | Crash Right Through It | Jackson Rathbone (作中のオリジナル曲) |
8 | The Wrong Song | 作中のオリジナル曲 |
ミックステープ:伝えたかったことの感想(ネタバレ無し)

ストーリーは衝撃の展開やどんでん返しは無く、ビバリーがプレイリストに載っている曲を友達のエレンとニッキーの手助けも借りながら探すというシンプルなもの。
シンプルなのですが、そこに思春期特有の身体の変化への悩みや、スクールカースト、マイクロアグレッションなどと言った話題も扱われています。
そしてオチも展開も何もかも予想できるのだけれど、そこが良いんです!
この先どうなるか分かっているんだけれど、ラストシーンは感動でどんどん目から汁が流れ落ちていきました。
キャストに関しては、女の子たちが本当に可愛いくてチャーミング。
主人公のビバリー役のを始め、この子たちが次世代のスターになっていくのだなと、近所のおばさん目線でしみじみ視聴しておりました。
10年後くらいに「あの子たちこんなに立派になっちゃって・・・」と感慨に耽りながら、その時にもう一度視聴したいです。
そして、ビバリーの祖母ゲイルは『モダン・ファミリー』でお馴染みのジュリー・ボーウェンでした。
ゲイルは10代で娘を生んだ設定なのですが、それにしても『モダン・ファミリー』のPTAママ役が強すぎる私にはバアバには見えませんでした。
さて、イケメンが大正義の私はレコード店の店主でジョークや皮肉が効きまくり、でもここぞの時には良い事を言うアンチ役のニック・スーンに軽率に惚れました。
もしこの映画を日本人キャストでやるならムロツヨシさん辺りかななどと考えていました。
・ほっこり心温まる気持ちになりたい人
・女の子の友情ものが好きな人
ミックステープ:伝えたかったことの感想(ネタバレ有り)

個人的には全く恋愛要素が絡まないシスターフッドを貫いたストーリーなのが良かったです。
主要人物の3人が皆ローティーンという設定が功を奏したというか、ロマンス要素を入れない為のこの年齢設定だったのかなと思います。
高校生の設定でも恋愛要素の排除は可能ですが、やはり他のハイスクールものは多かれ少なかれロマンス要素があります。
『ブック・スマート』でも冴えない女の子たちが荒れ狂いますからね。
恋愛を入れてしまうと今作の主題とは外れてくるので、恋愛を完全に抜いた物語の展開は非常に良かったです。
また、ジャクソンに「あんな男と一緒にならず、音楽の道に進んでいれば彼女は成功していた」と母親を評されたビバリーは卑屈になります。
そこでニッキーが言っていた「誰でも親の人生を壊す」が印象的でした。
子どもができれば親は誰でも人生が大きく変わります。良い方にだけ転べば良いのですが、きっと悪い方にも変化する事も多いはず。
子どもはそこに罪の意識を持つ必要はありませんよね。
そして、この映画の前に観たのが同じくNetflixの『ロスト・ドーター』で、親子関係の悩みを描いている点では共通で対比せざるを得ませんでした。
『ロスト・ドーター』が親が子供に関するトラウマから解放される話に対し、『ミックステープ』は子供が親に関する不安を乗り越えた話でした。
作風は全然違うけれど、セットで見てみるのがオススメです。